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フィリップスの睡眠補助装置 SmartSleepを使ってみて良い点、悪い点、使用感をまとめる

春眠暁を覚えずというならば、年がら年中春でお馴染みのイエロートマトです。

いやー、毎日毎日眠いですね。仕事中もうつらうつらしてしまいます。私に限らず、睡眠不足は日本の国民病などと言われ、睡眠負債などの単語も一般的に周知されるようになりました。それほどに睡眠の重要性については至る所で述べられるようになりました。私も毎日7時間以上は寝るように意識しています。また、パワーナップ(短時間の昼寝)も実践しているのですが、それでも日中はどうしても眠くて睡眠不足を感じて仕方ありません。

(ちなみに私のパワーナップ事情については下記の過去記事で詳しく書いております)

soft.hatenablog.jp

soft.hatenablog.jp

 

上記の記事で挙げている参考文献にもありますが、睡眠不足を解消するには睡眠の質と量を上げることが何よりも重要とされています。しかし、量については24時間当たりに割ける睡眠時間というものはある程度制約があるため、簡単に増やすことはできません。となると、行うべきは時間当たりの睡眠の質を上げることになります。ここで睡眠導入剤など様々な方法を考える中で、今回、とあるガジェットを取り上げたいと思います。それは2019年の11月頃に販売開始された、フィリップス社製の睡眠補助装置、『スマートスリープ SmartSleep ディープスリープヘッドバンド HH1610/02』です。

ちなみにこの商品はブログ記載時点でAmazonでは42,373円です。なかなかの価格だと思います。そしてAmazonでも評価が星5と1で賛否が分かれている中、お試しキャンペーンにて購入し、約2週間本製品を利用しました。その中で分かった良い点、悪い点、個人的な使用感を以下にまとめたいと思います。

商品の概要

まず、睡眠補助装置SmartSleepについて紹介します。この製品は、日々の生活習慣により十分な睡眠を確保できない方に向けて設計されています。主な目的は、日中の眠気を軽減することです。

SmartSleepは、装置に取り付けられたセンサで睡眠の状態を測定します。深い睡眠に入ると、アルゴリズムに基づいて耳元にやさしい音(オーディオトーン)を流します。その音のタイミングや音量は自動で調整され、睡眠中に音に気付くことはありません。次の日に専用のアプリと同期することで、睡眠のグラフとスコア、音が流れた回数、そして音によって深い睡眠がどれだけ持続したかを視覚的に把握できます。

製品の特長をまとめると次のようになります:

SmartSleepは、ヘッドバンド形式の睡眠補助・計測装置です。
音を使用して深い睡眠の持続時間を延長します。
睡眠を計測し、そのデータを専用のアプリで表示します。
これらの機能により、睡眠の質を向上させるための支援を提供します。しかしながら、紹介文にはいくつか疑問を感じる部分があります。音で深い睡眠を延ばす仕組みは何なのか、また、使用中に音が気にならない理由など、懸念点が存在します。これらの疑問に答えつつ、実際の使用感を詳細に述べていきましょう。

SmartSleepの良い点

製品の利点については2つのポイントを強調したいと思います。

まず第一に、製品の使い始めの簡便さに感銘を受けました。睡眠追跡デバイスに初めて挑戦した私でも、商品のセットアップ手順を一見してから、デバイスの設定を始めることができました。スマートフォンとの接続、SmartSleep用の睡眠解析アプリ、SleepMapperとの連携、そして実際の使用まで、たった10〜15分で全てが完了しました。正直なところ、これほど短時間でしっかりと追跡できるのかと半信半疑でした。しかし、翌日アプリを開いてみると、総合的な睡眠スコア(最高100点)、レム睡眠や深い睡眠の分布、そしてSmartSleepを使ったことによる深い睡眠時間の増加量などが非常に分かりやすく表示されていました。アプリのユーザーインターフェイスも非常によく設計されており、操作につまづくことはありませんでした。

 

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実際のアプリの計測結果

また、日次、週次、月次という形での深い分析機能があるのは驚きでした。確かに製品価格に見合うだけの情報量が提供されていると感じました。

第二の利点は、装着中の快適さです。似たような製品では、着用していると眠りづらいと感じることがよくありますが、私がSmartSleepを使った限りでは、そのような問題は一切ありませんでした。また、私が特に気になっていたオーディオトーンも睡眠に何の悪影響も与えませんでした。実際には、音が鳴っていることすら気づかない程度でした。それにもかかわらず、この音が深い睡眠の助けになっているとしたら、どのような仕組みでそれが達成されているのかは理解できません。しかし、その技術的な側面が逆に感動を覚えるほどでした。

SmartSleepの悪い点

悪い点も大きく二点、
一点目は計測のためのセンサーが消耗品であること、そして消耗品の消耗がメーカー側の想定以上に激しいということです。
この手の毎日使用することが前提となる製品でセンサーがまさかの消耗品というのは非常に厳しいです。もちろんセンサー単体で購入することはできますが30個で3000円。メーカー側の記載では3日毎にセンサーを変えて使用してくださいと記載がありますが、3日も続けて使うのは不可能です。1度付けるだけでセンサーを皮膚に付着させる部分が激しく劣化し、1日どころか一度付け直すだけでも使用に難があるばあいがあります。そう考えると1日1個センサーを消耗するとして、1日あたり100円というのはなんともやっかいな維持コストです。

二点目は髪の毛を押さえこんでしまうため確実に髪の毛に寝グセがついてしまうことです。睡眠時にストレスはありませんが、この点において、起床時のストレスはかなりあります。元々髪の量が多いため寝グセがつきやすく、髪を乾かす際など気をつけているのですが、SmartSleepを利用してから寝グセは100%付いてしまいます。しかも通常の睡眠時の寝グセよりも髪の圧迫が強く、直すのも通常以上に大変です。なんならこの寝グセを直すために少し早めに起きる必要がある場合もあり、なんだか本末転倒です。

SmartSleepを使用して睡眠の質は上がったと実感するか

正直なところ、睡眠の質が上がったという実感はあまりありません。これを試してからも日中の眠気との戦いは未だに続いております。
ただし、計測できないものは改善できないという視点から考えると睡眠の指標を得ることが出来るという意味では十二分に実感があります。質の良し悪しを把握し改善に向かって調整しようとすることで、結果的に睡眠の質ないし量が上がるならば、本製品の本願はかなっているかなと思います。特に睡眠時間を7時間は取っていると思っている自分が実質7時間も眠れていないことを気づけたことは大きく意味があると思います。

ずばりSmartSleepを買う価値はあるか

ここまで述べてきましたが、ズバリ断言します。買う価値はないです(えぇー!!)
いや、ここまで良し悪し含めつつ、語ってきましたが、それらを踏まえて42,373円は正直厳しいです。同じ計測であれば、Apple WatchHUAWEI Watchなどのスマートウォッチで充分に計測できます。特に後者はかなり精密で、SmartSleepを使わなくとも計測だけならこちらの方が何倍も簡単にかつ維持費もかからずに行えます。 

 


後は睡眠ブーストによる睡眠の質向上が個人差のあるものであると仮定すると、それで効果てきめんに睡眠の質が向上するならばまあ購入する価値はあるかなとも思いますがそれを試すためのキャンペーンも終了してしまいましたのでなんともです。合わないからと言って、おいそれと納得できる価格ではありません。その点からも「買う価値」という意味ではナシと言わざるをえません。

なんとも悲しい結論ですがこれが正直なところです。もし購入を検討されている方がおりましたら、今一度、この記事の内容を踏まえつつ購入を考えていただければと思います。