ロックインジャパンフェスは初日のみ参戦しましたでお馴染みのイエロートマトです。
社会人の夏休みって短すぎやしませんかね。学生時代の一ヶ月近くの長期休暇は今考えると貴重も貴重な期間だったなと。まあ、そんなこんなで学生気分だけでも思い返そうと数年ぶりに、その当時は面倒でしかたなかったで夏の読書感想文をここに提出する所存です。
課題図書は話題の一冊、ハンス・ロスリング『FACTFULNESS』
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
- 作者: ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド,上杉周作,関美和
- 出版社/メーカー: 日経BP
- 発売日: 2019/01/11
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
まずは、本書を知ったきっかけから、きっかけは『ライフハック大全』でお馴染みの堀 正岳さん(今はめほりさんとお呼びすべきか)がyoutubeで激賛しており、これは気になると翻訳版の出版直後に購入いたしました。それが今年の1月で、以降メディアでも頻繁に取り上げられ話題になるのを眺めつつ都合7ヶ月、積ん読の山に放り込まれたのをこの夏休みを利用してやっと読了いたしました。
先に読後感を述べると読んで損なしの傑著です。さすがにここまで話題になるのも頷けます。良い本に出会うと読む前と後で現実世界の見え方が変わってしまうぐらいの衝撃を受けることがありますが、まさに本書がそれです。私の世界の見え方は本書に変えられました。
それでは本書の大まかな内容と構成について紹介していきたいと思います。まず一番最初に我々の常識(とさえ思っていた)諸々の事象について簡単に3択テストにて確認しながら、いかに正しい現実と乖離しているのかをテストにより明らかにします。私もそのテストに回答したところ、正答率はおよそ10%でした。これはチンパンジーが適当に回答したものの正答率が33%で読者及び同じように各国の対象者にテストしたどの回答者の誰よりも高い正答率だったと煽られます。この煽りで急に目が開かれる思いでした。
そこから、我々の気づかぬ思い込みや暗黙のバイアスに気づいて抜け出るために心がけるべき考え方10個を各章で解説していきます。この考え方をこそ本書では「ファクトフルネス」と呼んでいます。
以上が大まかな内容と構成です。考え方としての「ファクトフルネス」について詳しくは本書を読んでいただくとして、ここでは直接内容についてではなく、抽象度上げて、本書の読み方、オススメの読み方について少し述べたいと思います。
そもそも読前には、腰を据えて一言一句逃さず読まねばと思っていましたが読み終えてからEvernoteで読書ノート的に内容を総括してみると、サクサク読んでしまって問題なかったです。結論の語り口が非常にスマートでそこだけを読んでも問答として価値があります。そこで、本書の内容をビジネス教養としてや自己啓発のために学びたい人向けにオススメの読み方を手順化してみました。
最初に冒頭のテストを何の先入観もなく受け、結果に驚いてからyoutubeで著者のTEDのプレゼンを見ましょう。youtubeのリンクを下記に貼ります。
https://www.youtube.com/watch?v=Sm5xF-UYgdg
視聴したら終盤の「ファクトフルネスの大まかなルール」を先に読んじゃってください。これでおよそ35分〜40分で内容と論旨について大枠から中核までを理解できたことになります。
(ちなみにファクトフルネスをX分で要約〜の動画も数本上がっておりました。記事の参考にと見当たったものすべて視聴してみましたが、内容を過不足無くをしっかりと要約しているのは下記の動画でした)
https://www.youtube.com/watch?v=y6vz7Ce3nLk
また、雑誌 週刊東洋経済のファクトフルネス特集号も出ております。
ビジネス教養としての要約は本書で一読良さそうです。
週刊東洋経済 2019年4/6号 [雑誌](FACTFULNESS 日本版 ~なぜ賢い人ほど間違うのか?~)
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2019/04/01
- メディア: 雑誌
- この商品を含むブログを見る
(しかし、文章よく読んでいると分かりますが副題『賢い人ほど間違うのか』というのは幾分かミスリードなところがあります。あえてではあるかと思いますが)
上記までの一連を通したら後はボーナスステージとばかりに気になったルールの章をそれぞれ読み進めていけば、具体的な論拠を追えます。こんな論文を読み込むような読み方してしまうのはもったいないかもしれないです。
(この論文、私の大学時代の研究室の指導教員が私に教えてくれた方法であり、落合陽一氏も似たようなことを語っているのをyoutubeで見聞)
しかし、こんな読み方をも許容できるほどに本書の結論がそれだけでも充分に面白いからこそです。凡百の類書は普遍的結論の語り直しでしかなく、それを分かってなお受容できるだけの衝撃もありません。翻って本書は読む価値があるのです。
(記事を書いていて嫌なことを思い出したのでここで放出、見城某が「私はオチを先に読む」などと言っていたことを最初は理解しがたいと感じていたが、そうか目的志向で読む分には反駁できないなと)
以上が課題図書の読書感想文です。まだまだAmazonでも書籍ランキング10位以内を保持しており、ピケティの本のように話題になっているからと買う方も多いはず。ピケティ本に比べれば読みやすさは段違いにこちらのほうが上(比べるべくもありませんね)
気になってた方、夏休みを有意義に過ごそうにもどうすれば良いかという方にもオススメです。ぜひ読んでみてください。
FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣
- 作者: ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド,上杉周作,関美和
- 出版社/メーカー: 日経BP
- 発売日: 2019/01/11
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る