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千早茜『マリエ』彼女の読書感想6

お世話になっております。イエロートマトです。前回の井上夢人氏の『プラスティック』についての記事が当ブログの中でも珍しく、アップした日から多数の方に読んでいただきました。ぜひ未読の方はこちらも読んでいただければ幸いです。

 

soft.hatenablog.jp

 

今回もこちらの読書感想を上げていこうと思います。ご笑覧ください。

 

 

こんにちは、またまた一冊読み終えたのでご紹介します!


『マリエ/千早茜』あらすじ↓

「離婚って失敗なの?」「恋愛と結婚って別物?」
直木賞作家が描く、おとなの女性の結婚と幸福をめぐる物語。

桐原まりえは40歳を手前に離婚した。夫の森崎に「恋愛がしたい」と切り出され、2年近い話し合いの時期を経て、7年半の結婚生活に終止符を打ったのだ。理由にはいまも納得がいかないまりえだったが、自分はもう誰にも属していない、そう思うと心は軽やかだった。離婚届を提出する朝、寂しさよりも、手放して一人になることの清々しさをこそ感じたのだ。
「あんたもこれから恋愛できるわね」、行きつけのワインバーでよく遭う年かさのかっこいいマキさんはそう言うが、まりえにはその気はない。駆け引きも探り合いも億劫だし、今のからだを見せる羞恥が性欲を上回る。なにより、すべて自分の自由にできる生活が一番大事でそれを危うくする欲望に呑み込まれたくはないのだ。でも、なにか不安で、なにか取りこぼしている気がする……。
ひょんなことで懐いてきた由井君が粉料理を教わりに訪ねてくるのを好ましくは思うが、物事の受け止め方に7つの歳の差を感じるばかりだ。そんな折、些細なきっかけと少しの興味から、まりえは結婚相談所に登録をした。そこで見聞きする世界は、思いもよらないものだった。マリッジコンサルタントに、紹介された男たちに、婚活仲間に、切実な「現実」や結婚に対する価値観を次々と突きつけられ、まりえは考え続ける。自分が人生に求める幸せとは何なのか。
若い頃のように無邪気に恋愛に飛び込んでいけなくなった眼にだからこそ捉えられる、おとなの女の幸せをめぐる長篇。

 

読み終えて…。
あー!千早さんの書く物語やっぱり好きー!!!
繊細な香り、料理の描写。
年下の男の子との束の間の恋愛などなど…。
私の大好きが詰め込まれていて本当に、こう、なんでこんなに分かるんですか?というぐらい好きポイントを突いてきました。
別作品の『透明な夜の香り』は調香師のお話なのですが、こちらも香りに色がついたような、目の前で嗅いでるような気分になるんですよね〜。
とにかく描写が細かい!
そんな繊細な文章だからこそ、感情移入したり、寄り添えたりするんですよね。


お気に入りの一文↓

・『人は役割に流されて欲しいものや気持ちを忘れていく。』

・『そうだなぁ、これはきっと男が書いているんだろうな。好いた女は自分を一途に想って欲しい。心変わりするくらいなら死んで欲しい。男にはそういう身勝手な幻想や願望があるのかもしれないね』


現実世界で疲れたとき、千早さんの文章を読むとなんだか心が救われるような気がします。
言葉たちに撫でられているような、労られているような気持ちで、ふわふわとただ漂うような感覚を味わえると思います。


ということで今回は千早茜さんの『マリエ』をご紹介しました!
新刊も出るそうなのでそちらもチェックしたいですね!
ではまた〜☺️