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齊藤彩『母という呪縛 娘という牢獄』彼女の読書感想3

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新年度はじまりましたが、皆様お元気ですか。イエロートマトです。本日も彼女の読んだ本の感想を載せたいと思います。ありがたいことにスターをつけてくれる方や記事を詠んでくれる方がいらっしゃって、唐突な始め方で不安でしたが受け入れてもらえてるようで安堵しております。

以下感想、齊藤彩『母という呪縛 娘という牢獄』

 

母という呪縛 娘という牢獄

あらすじ

深夜3時42分。母を殺した娘は、ツイッターに、
「モンスターを倒した。これで一安心だ。」
と投稿した。18文字の投稿は、その意味するところを誰にも悟られないまま、放置されていた。
2018年3月10日、土曜日の昼下がり。
滋賀県、琵琶湖の南側の野洲川南流河川敷で、両手、両足、頭部のない、体幹部だけの人の遺体が発見された。遺体は激しく腐敗して悪臭を放っており、多数のトンビが群がっているところを、通りかかった住民が目に止めたのである。
滋賀県警守山署が身元の特定にあたったが、遺体の損傷が激しく、捜査は難航した。
周辺の聞き込みを進めるうち、最近になってその姿が見えなくなっている女性がいることが判明し、家族とのDNA鑑定から、ようやく身元が判明した――。

母と娘――20代中盤まで、風呂にも一緒に入るほど濃密な関係だった二人の間に、何があったのか。
公判を取材しつづけた女性記者が、拘置所のあかりと面会を重ね、刑務所移送後も膨大な量の往復書簡を交わすことによって紡ぎだす真実の物語。
獄中であかりは、長年別居していた父の手厚いサポートを受け、多くの「母」や同囚との対話を重ねた。そのことが、あかりに多くの気づきをもたらした。
一審で無表情のまま尋問を受けたあかりは、二審の被告人尋問で、こらえきれず大粒の涙をこぼした――。
気鋭の女性記者が、殺人事件の背景にある母娘の相克に迫った第一級のノンフィクション。

 

感想

なかなか触れることのなかったノンフィクション。
教育虐待という身近で起こっていることが事細かに書かれていて、当人が虐待と思っていなくても、周りから見たら普通じゃないことは意外とあり、それは当人が気づくまで続いていたかもしれない。
そういう時に縋ろうとするのは教師ぐらいしかおらず、けれどその教師も施せることに限りがある…。

一審での裁判長の言葉であかりが心変わりしたところで、誰にも理解されないと思っていた苦しみが、やっと誰かに届いて読んでいる側も救われたような気がしました。

あまり読まないジャンルでしたが、これからも少しでも興味のあるものは読んでいきたいと思ったきっかけの本となりました。